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ZI Aluminium-Druckguss社事例(ドイツ;アルミダイカスト):
異なる鋳造方案の体系的評価

ドイツのベルクツァバンにあるZI社では、近年MAGMASOFT® の新しい仮想実験機能をギアハウジングの製造条件の比較検討に有効活用しています。鋳造シミュレーションを駆使しても、鋳造部品の複雑化や品質要求の多様化により、金型設計の最適化を、早期に、確実に判断することが難しくなってきています。その一例がドイツのZI社で生産されている高圧ダイカスト製ギアハウジングです。CADデータを受け取ると、鋳造シミュレーションを行いながら、適切な生産計画を立てることになります。経験に基づき、鋳造品の配置やゲートの設計について複数の案を作成し、最適な解決策を見出すため、解析準備を行いました。


ZI社の鋳造チームは4種類の初期方案を選び、詳細な分析を行いました。特に、湯境や引け巣を回避することに注意が払われました。充填凝固シミュレーションの評価では、金型への充填過程と終了時の温度分布、溶湯の速度、背圧を特に考慮しました。ピストン速度が3m/sの場合、湯境の兆候は見られなくなりましたが、すべての設計方案で局所的に空気巻き込み巣と引け巣が確認されました。

3Dアニメーションとその結果に基づいて、部品全体の品質を定義する様々な品質基準の直接比較と評価が行われました。しかしながら、方案形状が全く異なるため、この視覚的な分析だけでは、最適方案やその他の問題の削減・除去について断定することは容易ではありませんでした。


Fig.1鋳造方案の違いによる充填挙動の変化

そこで、全てのバリエーションと変数を網羅した上で、明確で決定的な比較を行うために、ZI社の専門家はMAGMASOFT® のアセスメントパースペクティブの機能を使用しました。過去に解析を実行したプロジェクトバージョンをインポートした後、アセスメントパースペクティブですぐに結果を統一的に評価することができ、計算を再度繰り返す必要はありません。達成すべき目的関数は、関連するパラメータと品質基準を用いて、最適化パースペクティブにて素早く定義することができます。品質の考慮に関しては「スムーズな充填」、「背圧」、「ホットスポット」、「ポロシティ」が設定され、コストに関する目的関数としては「歩留まり向上」を選択しました。

Fig.2ランキング:定義された品質基準に関する定量値で各デザインを直接評価

比較を始めるにあたり、まず各デザインのランキングを参照しました。すべての基準を同じ重要度で評価した結果、デザイン2がベストな条件であることが確認されました。評価に使用する目的関数の優先順位を変えることで、さまざまな最適条件のバリエーションをすぐに確認することができます。例えば、歩留まりをX%低下させたときに、達成可能な品質にどのような影響があるかを調べることができます。ここで、デザイン2の加工性が圧倒的に悪いことを考慮し、ZI社の専門家はデザイン3の最適なモデルを継続することを決定しました。


デザイン3では、許容できない引け巣の発生が示されたため、鋳造方案をさらに修正する必要がありました。このため、流れを最適化するためのゲート設計の変更とオーバーフローのサイズ変更を実施しました。さらに、プロセスをより堅牢にするために、製品のエジェクタ方向を変更しました。この5番目のデザインのシミュレーション結果は、アセスメントパースペクティブにおいて最初の4 つのデザインの結果と定量的に比較されました。パラレルコーディネート図では、各品質基準に対する変更点の影響を直接可視化することができます。デザイン5の充填・凝固挙動を評価した結果、最終的に満足のいく結果が得られました。

Fig.3パラレルコーディネート図における全デザインの品質基準の同時評価

MAGMASOFT®の最適化・評価ツールを使って、全く異なる方案形状を体系的に評価するアプローチは、ZI社にとって重要な判断を迅速に下すために有益でした。定性的には比較が難しかった3Dシミュレーションの結果を定量的な特性値としてまとめ、可視化することで、鋳造の特定部分だけでなくプロセス全体についても直接比較し、基準に基づいて評価することが可能になりました。社員が長年培ってきた鋳造のノウハウと、MAGMASOFT®アセスメントパースペクティブで品質やコストの基準を定量的に比較できることが相乗効果を生み出し、ZI社の鋳造方案の評価に変化が生まれ、ワークフローのスピードアップと意思決定の堅牢性を高めることにつながっていくでしょう。

Appendix

本記事の解析事例は、MAGMASOFT V6.1にて実装されたVirtual gate 機能によって更なる効率化を図ることができるようになりました。Virtual gate 機能は、ショットチャンバーやランナーが無くてもダイカストの湯流れ解析が可能となる機能です。Fig .4 の左図のように、製品部に対してゲートを作成し、その端面をinletとすることで湯流れ解析が可能となります。inlet には、鋳込み時間、鋳込み流量、圧力カーブなどの入力設定が可能となり、全てのゲートで同じタイミングで同じ速度で鋳込みという理想的な条件で解析を行い、適切な製品配置やゲート位置選定を行うことができます。

Fig.4 Virtual gate 機能の概要

Fig.5 Virtual gate 利用による解析モデル
Fig.6 Virtual gate 利用による解析結果(温度分布)
Fig. 5とFig. 6はVirtual gate機能を使って同製品を解析した例になります。製品部のみに解析対象を絞ることで高速な解析が可能となりました。また同様に、標準実装されている最適化パースペクティブ・アセスメントパースペクティブを使うことで、解析結果を横並びで評価することができます。

最新バージョンV6.1で実装されたVirtual gate機能は、高圧ダイカストの鋳造方案検討に更なる効率化をもたらします。

会社紹介:ZI Aluminium-Druckguss社

ZI Aluminium-Druckguss GmbHは、アルミダイカスト部品の有名な製造会社です。40年以上にわたり、機械製造業界向けの高品質な製品をドイツのバート・ベルクツァバンで生産しており、2003年以降は様々な業界の顧客にもサービスを提供しています。仕様に適合した部品を競争力のある価格でオンタイムに提供することが、ZI社のコア・コンピタンスです。この目標を達成するために、ZI社の専門家は製品開発段階からお客様をサポートします。その結果、長期的なビジネス関係を築くことができ、それがZI社の成功の基盤となっています。

本記事は、NMAGMA社の下記ウェブサイトに公開されている記事「https://www.magmasoft.de/en/company/publications/reference/Methodical-Assessment-of-Different-Casting-Layouts-00001/」を日本語訳したものです。

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鋳造プロセスシミュレーションソフトウェア MAGMASOFT

MAGMASOFTは、幅広い鋳造プロセスに対応した鋳造プロセスシミュレーションソフトです。湯流れ・凝固から熱処理や残留応力・変形などの解析・評価できるハイエンドな機能を取り揃えており、使いやすいGUIや結果評価機能、標準搭載の最適化機能により、鋳造課題の見える化を実現します。